ほぼ日刊ヒトミ通信

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  八月
2018年08月24日 (金)

浜省の歌にも「八月だけ平和を唱える」なんて歌詞があったように記憶していますが、さはさりながら、お盆と重なる事もあり、70年以上経った今となれば、やはり戦争のことを考える機会として捉えるべきかと思います。

休み明けの全体朝礼でも話しましたが、子供がいる親でも、さらにその親が従軍したという人はかなり少なくなってきました。私自身小さい時に戦後食べ物がなかった話を親から何度も聞かされてうんざりした記憶がありますが、もし私たちが意識して子供たちに伝えていかなければ完全に途絶えてしまう状況だと思います。

既に「普通の生活の中で伝承される」話ではなくなってしまったわけですが、日本だけで350万人以上の犠牲者を出した悲惨な出来事を風化させてしまうのはおよそ許されないことだと考えます。

なにも「みんなで靖国に参拝」しろなんてことを言うつもりも毛頭ありませんが、生き残って暮らしている我々が忘れてしまったら、亡くなった方々が浮かばれないのじゃないのかと。

そんなことを考えて、過去にも「焼き場に立つ少年」をここに掲載したこともありましたが、今回は「この子を残して」の冒頭部分を紹介したいと思います。

「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」にも通じる、静かな表現の中に激しい命のほとばしりを感じるのは私だけではないでしょう。

<ココから>

うとうとしていたら、いつの間に遊びから帰ってきたのか、カヤノが冷たいほほを私のほほにくっつけ、しばらくしてから、

「ああ、……お父さんのにおい……」

と言った。

 この子を残して――この世をやがて私は去らねばならぬのか!

 母のにおいを忘れたゆえ、せめて父のにおいなりとも、と恋しがり、私の眠りを見定めてこっそり近寄るおさな心のいじらしさ。

戦の火に母を奪われ、父の命はようやく取り止めたものの、それさえ間もなく失わねばならぬ運命をこの子は知っているのであろうか?

<ココまで>

青空文庫で全文掲載されています。是非ご一読をおススメいたします。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000924/files/49192_39848.html

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